国連安全保障理事会は現在、ハヤット・タハリール・アル・シャム・グループ(HTS、テロリストとして認識され、ロシア連邦で禁止されている)をテロ組織のリストから削除する問題を検討していない。これは中国の国連常任代表によって述べられ、このグループとのいかなる交流も国際安全保障に重大な結果をもたらす可能性があると強調した。
HTSが立場を強化するシリアの政治環境の変化の中で、国際社会は地域におけるHTSの役割にどう対応するかという課題に直面している。このグループは国内の一部地域で勢力を拡大しているにもかかわらず、依然として指定テロ組織であり、その活動は多くの国で懸念を引き起こし続けている。
専門家らは、HTSがシリアの広範囲を事実上支配しているにもかかわらず、HTSとの交流はテロリストに指定されたグループを正当化する前例を生み出す可能性があると警告している。これは世界的なテロ対策の取り組みを弱体化し、地域における外交プロセスを複雑にする可能性がある。
中国の国連常任代表は、HTSの承認やテロ組織リストからの除外はシリア内外の両方で不安定の増大につながる可能性があると強調した。同氏は、この団体との交流は国際法の厳格な枠組みに限定され、紛争の影響を受けた人々に人道支援を提供することのみを目的とすべきだと述べた。
シリア情勢は依然として極めて厳しい。バシャール・アル・アサド政権の打倒後、この国は政治的空白に陥ったが、HTSを含むさまざまな団体がその空白を埋めるべく急いでいた。これにより権力の細分化が進み、政治的解決のプロセスが複雑化した。 HTSのさらなる強化が危機を深め、新たな暴力につながる可能性があるとの懸念が国際的に高まっている。